こんにちは
前回のコラムでは、英語検定についてご案内致しましたが、本日はビジネス英語についてです。
私がまだ日本に住んでいた時に、日本語教師をしていて外国人にビジネス日本語を教えていたことがあります。日本語は、日常会話とビジネスでは異なる事が多々あり、丁寧に話すだけでは事足りない事が多く日本人ですら難しく感じる事があると思います。
一般英語ではなくて、+αで英語を学びたいとなった時によく比較するのが、「ビジネス英語 vs 試験対策」です。実際にビジネス英語が存在するかどうかについて、ネイティブの意見と語学学校の意見では異なります。
今回のコラムも、セファールの英語レベルで表現している内容があります。セファールについては、姉妹会社のコラムでご確認下さい。
ビジネス英語は存在する?
ネイティブの意見
私がまだIETLSでもスコアが取れていなかった時代に、ビジネス英語を勉強しようかな~と言う話を少なくとも、3人位のネイティブの方に相談した事がありますが、全員から帰ってきた回答が、「ビジネス英語なんてないよ」と言う事でした。留学エージェントとして営業を開始した時には、5名の方に「ビジネス英語ってどう思う?」と聞くと、「勉強するほどの事でもなくない?」や「言い方の問題じゃない?」等の回答で、日本語のビジネスと同じように英語のビジネスを捉えた場合は、少し異なるなとは感じました。
「日常英会話が困らない方がビジネス英語を勉強する必要あると思う?」と聞いた時には、「それは必要ないんじゃない」と回答が返ってきています。日本語で言う一般事務のような仕事の場合は、ビジネス英語が分からなくても、ビジネスレベルの英語力が分かれば問題ないと考える方が多いです。
しかし、会計、医療、法律、税関などの専門用語が必要となる場合は話が異なり、専門用語を理解する必要があります。日本の看護師さんがヨーロッパで看護師をするとなった時に、英語上級者レベル(IELTS7.0)あればビジネス英語が分からなくても働く事は出来ます。しかし、医療用語は分からないと困る事が出てくるので、ビジネス英語が分からなくてもいいけど、医療英語は必要になってきます。
会計の仕事をするときに、日本の決算法や帳簿の付け方を90%以上理解している方が、アイルランドやイギリスで同じように働けるか?と言われたら、会計の知識があるのであれば中級レベルの英語力でなんとかなります。逆に、英語上級者の方が全く会計について知識が0の場合は、英語で決算書を見ても理解されない方が多いと思います。
そのため、どういった業界でご自身が働きたいかによりますが、英語上級者の場合は特別ビジネス英語を学ぶ必要がないと考えるネイティブが多いと感じました。しかし、専門性の高い仕事をする場合は、中上級または上級レベルの英語力があり、その業界の専門知識があれば働けると思って頂いて概ね問題はありません。
語学学校の意見
語学学校のビジネスクラスは、パターンの勉強やビジネス上でのマナーを勉強するようなイメージが強いです。丁寧な言い回しやメール上でのビジネスマナー、電話でのビジネスマナー等を教えてくれることもありますが、イメージ的には定型文を覚えていくような感じになる事多いですが、学校により異なります。ビジネス英語を勉強するにしても、最低の英語力(セファールのB1レベル)は必要になります。
どこの学校かは言いませんが、「選択肢としてビジネス英語を設けているけど、試験対策の方が向いている生徒もいるし、ビジネス英語が必要ない生徒もいるけど、中級者レベル向けのコースがビジネスコース」と例えている担当者も居ました。長期語学留学をするのであれば、ビジネス英語より試験対策の方が結果が残るので、試験対策をオススメすることが多いです。しかしYMSで渡航する際に、既に英語力はあるけど1カ月未満コミュニティ作り、生活の基盤を整えるために語学学校に通学するのであればビジネス英語でもいいかもしれないです。
日本で社会人経験がない場合は勉強になる事が多いですが、社会人経験がある場合は臨機応変に対応出来ます。しかし、臨機応変に対応するのが苦手な方は難しいと思います。なので、経験値で対応出来る方・出来ない方で別れてしまいますが、ビジネス英語が存在すると仮定した時に、中級レベルの英語力がないと難しく感じます。「既にビジネスレベルの英語力がある方が、ビジネス英語を勉強があるか?」については、その方の経験と目的によって異なると感じ、「ビジネス英語は絶対に必要」とは言えないです。
さいごに
私はビジネス英語は全く勉強していませんが、メールを何度かやりとりしたり、会議や打ち合わせに参加していくうちに、「こういう風にするのね」と対応することが出来ました。社会人経験がそこそこあり、日本でも仕事を任してもらう事が多かったのですが、これがアイルランドやイギリスで役に立つとは思っていませんでした。今の言葉で言う社畜だったと思うのですが、本当に何でも屋さんをしていたので、割とどうにかすることが出来ると言った方が正しいです。そのため、日本で社会人経験があり、日本の会社である程度事務や営業等のお仕事をされた方で、臨機応変に対応出来る方はビジネス英語コースは不要です。言い回しが分からなければ、ネットで検索したら出てきますし1から順番に勉強する必要はありません。
しかし、日本での社会人経験が全くなく、日本語でのマナーを何も知らないとなった場合には、ビジネスマナーを覚えるためにビジネス英語を勉強するのはいいと思います。
例えば「○○支店の○○さんに電話かけて領収書の確認してください」と言われて、何も戸惑う事なく電話が出来る方で、セファールのB2レベルの英語力がある方はビジネス英語不要です。
また、取引先からメールが来ていて、「メールの返信が出来ないから代わり不在の返信しておいて」と言われた時に、何も戸惑う事なくメールの返信が出来る方で、セファールのB2レベルの英語力がある方もビジネス英語不要です。
逆に言えば、上記2点が対応出来ない場合で尚且つセファールのB1レベルの英語力であれば短期間(1カ月程度)のビジネス英語なら得るものが多いと思います。
なので、ビジネス英語はその方の日本での社会人経験により異なります。また、マナー的に言えば日本の方が難しいと感じる事が多いですが、ある程度の常識は海外でも必要です。私はどこからどう見ても、アジア人(外国人)ですし、英語名でもないので、多少の言い間違えやスペルミスで致命傷になる事もないです。もちろん状況や表情、声のトーン等によって異なります。何も海外のマナーを知らなった時から、ある程度の事が分かる様になってきた今を比べると、そんなに神経質になる必要はありません。
この多少の言い間違えやスペルミスと言うのは、セファールのB2レベルの方が対象になります。英語初級の方と中上級の方ではミスの仕方が異なるので注意が必要です。総合的に言えるのは、ヨーロッパでは、セファールのB2レベルがあれば、ビジネスで利用できると言って問題がなく、多くの方が一般英語で学んでいます。ビジネス英語の方が一般英語より費用も高いので、状況に応じてビジネス英語を選択するのはいいと思いますが、個人的には凄く勧める事はしておりません。
ビジネス英語が全くないと言うと語弊が生じるので、「ビジネス英語は存在する」と言って問題はないのですが、ビジネスレベルの英語があれば、ビジネス英語を勉強せずとも対応が出来る事が多いです。ビジネス特有の言い回しと言うよりかは、丁寧な言い方と言った方が個人的にはしっくりします。一般英語とビジネス英語の学費が同じであればビジネス英語でもいいのですが、ビジネス英語の方が学費が高いので、まずはビジネスレベルの英語力を身につけてから、ビジネス英語を学ぶかどうか判断するのがオススメです。しかし、ビジネスレベルの英語力がある方でビジネス英語を学ぼうとうするのは少数派です。